文書作成日:2026/08/11
従業員がメンタルヘルス疾患を発症し、欠勤や休職をするケースがありますが、その中には、仕事による強いストレスがその原因となっている事例もあるようです。2026年7月に公表された厚生労働省の資料によると、精神障害を理由とした労災の請求件数が大幅に増加しています。以下では、公表された資料の内容を確認した上で、企業に求められる対策について見ていきます。
[1]精神障害の労災補償状況
精神障害の労災補償状況は下図のとおりとなっています。2025年度の請求件数は4,958件で、前年度の3,780件から1,178件の大幅増加となりました。また、支給決定件数については1,082件となり、前年の1,055件から26件の増加となり、2年連続で1,000件を超えました。
支給決定件数の中で多い業種(中分類)の上位5つをみてみると、社会保険・社会福祉・介護事業151件、医療業139件、道路貨物運送業68件、総合工事業51件、飲食店45件となっており、医療・福祉の業種(大分類)で多いことが分かります。決定件数における支給決定件数の割合である認定率については2025年度で28.2%となり、ここ数年、30% を超えていたものが、今回は30%を下回りました。
※図はクリックで拡大されます。
[2]具体的な出来事
支給決定は、その傷病に繋がる具体的な出来事があったかを確認して判断されますが、支給決定の内容を具体的な出来事別に分類すると、その上位5つは以下の通りとなっています。
- 上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた(222件)
- 顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた(127件)
- セクシュアルハラスメントを受けた(127件)
- 仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった(113件)
- 業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした(110件)
支給決定件数(1,082件)のうち、上位3つ(パワーハラスメント、カスタマーハラスメントに関連する項目、セクシュアルハラスメント)はハラスメントに関するもので、全体の4割超を占めています。10月よりカスタマーハラスメント等の防止対策が企業に義務づけられることと合わせて、より一層ハラスメント防止の取組みが重要になります。
厚生労働省「令和7年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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